屋根修理の「点検商法」に要注意!悪徳業者の手口と見分け方・断り方
「近所で工事をしていて、お宅の屋根が傷んでいるのが見えたので」——そう言って突然訪問してくる業者、実は典型的な「点検商法」の切り出しかもしれません。国民生活センターにも、屋根工事をめぐるこの手の相談が年々増えています。
この記事では、国民生活センター・消費者庁など公的機関が公表している情報をもとに、点検商法の典型的な手口と、訪問してきた業者への断り方、信頼できる業者の見分け方をまとめました。判断に迷ったら契約せず、まず消費生活センターに相談するのが一番安全です。
相談件数は5年で3倍超に増加
国民生活センターが2023年10月に公表した資料によると、屋根工事の点検商法に関する相談件数(PIO-NET登録分)は次のように増えています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2018年度 | 923件 |
| 2019年度 | 1,157件 |
| 2020年度 | 1,824件 |
| 2021年度 | 2,352件 |
| 2022年度 | 2,885件 |
※国民生活センター公表資料(2023年10月11日)より。2018年度から2022年度の5年間で3倍超に増加しています。
同資料では、契約当事者の8割超が60歳以上だったことも報告されています。高齢の家族が一人で対応する時間帯に訪問してくるケースも多いため、家族で情報を共有しておくことが大切です。
典型的な手口5パターン
国民生活センターが紹介している相談事例をもとに、典型的な手口を5つに整理しました。
① 「近所で工事をしている」と言って訪問
「近所で工事の挨拶に来ました」「ついでにお宅の屋根も見てあげます」などと言って訪問し、点検商法の第一歩として屋根に上がらせてもらおうとします。後から確認すると、近所で工事をしていた事実自体がなかったという事例も報告されています。
② 瓦のずれ・ひびを指摘して不安をあおる
点検後に「瓦がずれている」「このままだと台風で瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などと伝え、その場で契約を迫るパターンです。実際には接着剤で留まっているだけだったなど、指摘の内容自体が誇張・虚偽だったケースも相談事例に含まれています。
③ 「火災保険を使えば無料」という勧誘
「火災保険を使えば自己負担なしで直せます」と勧誘するケースです。保険が適用されるかどうかを判断するのは保険会社であり、訪問業者が断定できることではありません。保険金の不正請求に巻き込まれるトラブルも報告されています。
④ ドローンで撮った写真を見せる
「ドローンで屋根を撮影しました」と言って破損箇所の写真を見せ、信頼性を高めようとする手口です。写真自体が本当にその家の屋根かどうか確認できないまま契約してしまったという相談事例もあります。
⑤ 点検中にわざと壊して写真を撮る(極めて悪質)
国民生活センターは、屋根の点検中に点検箇所をわざと壊した上で写真を撮り、修繕の必要性を強調するという極めて悪質な事例も紹介しています。
こんなセリフ・状況は危険信号
- アポイントなしで突然訪問してきた
- 「今日中に契約すれば安くなる」など、その場での即決を迫る
- 「火災保険を使えば実質無料」と断定的に話す
- 点検結果の写真や動画を見せるだけで、具体的な見積書を出さない
- 会社名・所在地・資格などを聞いても、はっきり答えない
別の業者の無料調査でも確認できます
※調査・見積もり無料。訪問業者の指摘が本当か、第三者の目で確認したいときにもご利用いただけます。
その場で契約しない・帰す基本
訪問してきた業者が怪しいと感じたら、次のように対応しましょう。
- その場で屋根に上らせない・契約させない
- 「家族に相談してから決めます」と伝えて一度帰ってもらう
- 名刺や会社概要(社名・所在地・電話番号)を確認し、後で検索してみる
- 不安を感じたら、契約前に消費生活センターに相談する
はっきり断るのが気まずいと感じる人もいると思いますが、「検討します」とだけ伝えてその場で判断しないことが、トラブルを避ける一番確実な方法です。
契約してしまった場合のクーリング・オフ
すでに契約してしまった場合でも、訪問販売で契約した工事は契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフ(契約の無条件解除)ができることがあります。工事が始まっていても対象になる場合があるとされていますが、具体的に自分のケースが対象になるかは、契約書の内容や経緯によって異なります。
相談先としては、お住まいの市区町村の消費生活センター、または消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの窓口を案内してもらえます。住宅のリフォームに関するトラブルは、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(0570-016-100)でも相談できます。
信頼できる業者の見分け方
点検商法を避けるには、「業者から来るのを待つ」のではなく、自分で調査・見積もり無料の業者を探して依頼するのが基本です。選ぶときは次の点を確認しましょう。
- 会社自身の公式サイトがあり、所在地・会社概要が明記されている
- 「現地調査・見積もり無料」と公式サイトに明記されている
- 見積書の内訳が「一式」ではなく、工事ごとに金額が分かる
- その場での即決を求めず、複数社に相見積もりを取ることを勧めてくれる
訪問してきた業者の指摘が本当に正しいかを確認したいときも、別の業者に無料で調査してもらい、意見を比べるのが確実な方法です。
よくある質問
訪問してきた業者が全員悪質というわけではないですよね?
その通りです。訪問営業自体が違法というわけではありません。ただし、その場での即決を迫る・不安をあおる・会社概要を明らかにしないなどの特徴がある場合は、特に注意してください。
すでに代金を払ってしまいました。取り戻せますか?
契約内容やタイミングによって対応が異なります。クーリング・オフの対象になる場合もあるため、諦める前に消費生活センター(消費者ホットライン188)にできるだけ早く相談してください。
「無料点検」自体は受けてもいいのでしょうか?
無料点検自体が必ず悪質というわけではありませんが、屋根に上らせる前に会社概要を確認し、点検後にその場で契約を迫られても即決しないことが大切です。少しでも不安なら点検自体を断っても構いません。
火災保険が使えると言われましたが本当ですか?
保険が適用されるかどうかを判断するのは保険会社です。業者が「必ず使える」と断定することはできないため、気になる場合はご自身で加入している保険会社に直接確認してください。
本当に屋根が傷んでいるか不安です。どう確認すればいいですか?
訪問してきた業者とは別に、調査・見積もり無料の業者にもう一度見てもらうのがおすすめです。複数の業者の意見を比べることで、指摘が適切かどうか判断しやすくなります。